たとえば、医療や福祉に関する情報は、その多くがこのプロセス上では「死ぬまで」、あるいは「死ぬまで」から「死＝臨終」に含まれます。
なぜなら、医療サービス、福祉サービスは、その人の死をもって使命を終えるからです。

しかし、その人が亡くなった後も、関係者は生きていきます。
つまり「死後・死別後」には、一体どのようなことが起こるのか、これまでは、たとえば「相続トラブル」などのような切り口で情報が提供されることが多くありました。
専門家は、生前から準備していればトラブルは回避できたのに…という思いから、ハウツーを伝えようとしますが、多くの人が「死ぬまで」のことを自分のこととして受け止めることができません。

また、思うよりずっと長い「死後・死別後」については、グリーフ（死別による悲嘆のこと。普通の悲しみとは違う強い感情）に関する情報ばかりで、悲しみを抱えているばかりではない、前向きに生きる死別経験者の等身大の姿がなかなか伝えられてきませんでした。

本サイトの「ストーリー」では、死別経験者のインタビューを掲載しています。
一般の方であり、さらに死別経験があるわけですから、「死ぬまで」「死＝臨終」「死後・死別後」を一貫して経験している当事者です。
インタビューは、この3つのプロセスを意識しながら、経験者の“今”を見据えて行っています。


このサイトは、ライフ・ターミナル・ネットワークが運営しています。
医療にも、福祉にも、宗教にも偏らないこと、さらに“私たちのことである”という当事者性があること、加えて“今日から行動が起こせる”“意識を変えられる”実用性があること、を目指しています。

自分の最期という未来のために、少しでもお役に立てたら幸いです。